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一日だけの家族

今朝早く、ハスミンが朝ご飯用にせしめてきた雀のヒナを、くうまが助けてあげました。
いつもならほぼ、半殺し状態で助けても長くはない状態だったりするので放っておきますが、今日のはまだ、無傷。必死で隅っこに逃げて震えていました。
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「僕がお父さんになってあげるんだ。
そしてもうちょっと大きくなったら、本当のお父さんとお母さんに戻してあげるの」
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握り方を教えてあげると、一生懸命優しく握ってあげていました。
小鳥も安心して、くうまの手の中で眠り初めたので、ますます父性愛にめざめるくうま。
少し飛べるくらいなので、2週間もすれば空に返してあげられそう。
そのくらいなら、ハスミンからも守れるかもしれないし、なによりくうまが自分で育てると言っているので、良い機会だからやらせることに。
急いで小さな鳥かごと、巣、エサとエサやり用注射器を買いに走りました。
名前は「スターファイッ」スターファイターって飛行機の名を付けてました(笑)
ヒナを抱っこして、ふやかしたエサを注射器であげて。
「大丈夫だよ」「お腹空いた?」「一緒にいるからね」としきりに語りかけて。

晩ご飯の時、ハスミンがヒナを見つけてしまい、すごいアタックをするので、ヒナだけ二階の寝室に置いて扉を閉めることにしました。
探し回っていたハスミンも諦めたようだし、これからはこの手でいこうと思った矢先・・・。
うわーーんっ。
ヒナと一緒に寝ようと二階に上がったくうまが、大泣き。
鳥カゴにヒナはいず、床に血が飛んでるし、状況が把握できずに私も大焦り。
パパがヒナの隠し場所を知らずに、寝室のドアを開けてしまい、ハスミンはえさ箱用の僅かな隙間から、まんまと仕留めちゃったらしい。
「お父さんとお母さんに返してあげたかったのに。可愛そうだ。可愛そうだよおおおおお」
ハスミンをずっと怒って、ベッドに突っ伏して泣きやまない。
くうまの気持ちはすごくわかる。
だけど、小鳥は本当ならハスミンに食べられていたはずだったわけで・・・。
くうまがご飯を食べるように、ネコは鳥を食べて生きているわけで。
その代わり、ネコから飛んで逃げられるように羽をもらっているのですよね。
逃げられない弱い鳥はネコに食べられる。
運が悪かったんだよって説明したけど、泣くばかり。
「僕が助けてあげたから、運が良かったんだもん。」
まあ確かにそうとも言える。
でも、ここまで守ってあげたのに結局食べられるなんて、よほど運がなかったとも言える。
そう言ったら、余計泣いてしまった。
「お父さんとお母さんがきっと探して泣いてるんだ。ネコなんて嫌いだよー!」

一日だけの家族_e0023086_694233.jpg困った、どう説明すれば良いんだろう。
でもハスミンを嫌いになって欲しくないので、もうちょっと頑張って教えないと。
考えたあげくこう説明した。
くうまは鳥を食べたネコが悪いと思っている?
でも、鳥は虫を食べる。その虫にもお母さんとお父さんがいるのを、くうまは知ってるよね?
そうしたら、さすがに気がついてくれて、「あっ!」て口を押さえました。
ここはやっぱり、もうひと押し。
ネコは強いと思っているでしょ?でも、オオカミに食べられちゃうって知ってた?
じゃあ、オオカミは?と聞くから、
オオカミは人間に鉄砲で撃たれちゃう。
人間は世の中で一番強いんだよね。
でも一番強いから、今度は弱いものに優しくしてあげなきゃいけないんだよね。
そう言ったら、泣くのをやめて、よくわかってくれた。

やっぱり世の中は弱肉強食で、自然の掟というものがあって。
そういう循環の中の一部だけを見て、情にほだされるのではなく、全体がわかっていながら、その時自分が助けてあげられるものに優しくできる子になってくれたらうれしい。
ヒナは育てられなかったけど、これもまた良い勉強になったんだろうね、きっと。
でも私もちょっと悲しい(涙) ハスミンのバカーっ!




by africaespa | 2005-07-29 07:40 | 二カ国語子育て&絵本

子供と一緒に楽しむ南スペイン。


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