ないものねだり。

基本的に、ないものに執着しない私。
なければ自分でやってみる、自分で出来ないものは気持ちを切り替えて諦めるわけです。

スペインの田舎での生活はそんな感じで順応してきました。
大好きだった雑貨屋さんめぐり、ここでは自分のお気に入りにこだわっていては、見つからずストレスがたまるので、シンプルでちゃんと使えるなら、なんだっていいと思うようになりました。
車が運転できなかったので、洋服を好きなときに心行くまで探すことができないから、似合う似合わないを考えなくても大丈夫な基本ユニフォーム(TシャツとGパン)を決めて、暮らすことにしました。
一杯諦めたことがあります。
でも、日本に住んでいた時に頭の中の半分は占めていた、こういうものを捨て去っても、本当は何も問題はないことに気が付き始めた時、自分の生活も変わったような気がします。
とてもシンプルな生活をしていますが、今はそれが、すっきりしてて気持ちよく感じます。
たまに、お洒落もしない自分に、運転も出来るようになったことだし、もうちょっとお金かけてもいいかなと思い直すようになってきましたが(苦笑)

それが、子供のことだけは、日本の情報を集めるにつけ、ため息をつくことも多いです。

歩けばすぐ海があって、山もあるこの環境ではありますが。
こと、教育ということについては、あまり期待できる場所ではないのです。

学校のレベルは低いです。
でも、午前中で終わるのは魅力です。
午後に、私が教えてあげられる時間が多いので。

放課後は、迷った末、週2日か3日だけ習い事をさせることにしました。
ここで一番のメリットは、自然が近いことだし。
くうまは、飲み込みのよい利発なタイプではないので、立ち止まって考える時間をと。

ここまでは、まあ悩みながらもなんとか納得できる答えをだしてきたつもりです。

が、お稽古事に関してだけは、ため息混じりに日本を恋しがる自分がいます。
レベルが本当に低いのです・・・。
それは、教える側のレベルが低い場合もあるし。
スペインという国の「教え方」についての考え方が、あまりに日本と違うことへの苛立ちだったりします。

たとえば、学校の授業でも、1から順に段階を追って積み重ねるのが日本の教え方だとしたら、スペインはその段階分けがとても大雑把で、乱雑な中に子供を解き放って、子供が自分で掴み取らなければなりません。なので、子供が一つのことをできるようになるのに、日本より時間がかかり、子供は日本の子より格段に努力が必要で、できないで落ちこぼれる数も日本より多いということになる。

くうまの行っている水泳教室がいい例かも。
水泳教室には、三つしかレベルがありません。
泳げないグループ、フォームの出来上がってないグループ、きちんと泳げるグループ。
この三つのグループに4歳から14歳までの子が一緒くたに振り分けられる。
ので、9月からのくうまの水泳グループは、くうま一人6歳で、その次は9歳~13歳までの子達の10人でした。
当然ながら、背丈が倍ほど違う子もいます。
先生は、ほとんど教えないで、指示だけ。
「次は足にビート板をはさんで腕だけで泳ぐ」という指示は、くうまだけビート板をはさむ力がまだなくて、一人もんどりうって1mも前に進むことなく終わってました。
先生は、年齢差を考慮して、違う小さな浮きを渡すなんてことはしてくれないのですよね・・・。

個人個人の泳ぎの間違いを直してくれることもありません。
掴まってバタ足だけ練習して、その後ビート板を使ってバタ足だけで泳ぐ・・・なんて段階を追った練習はなしで、バタ足で50m泳ぐ指示が出るので、来る日も来る日もまともなバタ足ができる子が増えていかないわけで。

去年は結局、くうまのクラスの10人は、むちゃくちゃなフォームのまま1年を終え。
今年もそんな感じで日々が過ぎていっています。

結局は、これがスペイン式。
「泳いで泳いで泳いで泳いでいるうちに、自分で気がつけ」

見ている私の方が歯がゆく辛くなってきます。
ついでに言うと、後何年したらくうまが気が付くかわからないのですよね。
彼がある日バタ足はどうやればよく進むかに気が付くまで、週に二回、延々と送り迎えをするのねと思うと、なんだかため息が・・・(涙)

ただ、このお兄さんグループになってしまったくうまの不幸は、申し込むのが遅かったせいで、週2回の水泳教室が7時からの回しか空きがなかったから。
5時、6時の教室はもっと小さい子もいるので、週三回の水泳教室に週二回だけ行くというやり方で、なんとか空きのあった5時からのグループに移してもらうことにしました。
一生懸命可能性を探って、お金を余計に払っても、私に出来るのはここどまり。
先生も教え方も変わるわけではないです。

やめても本当はいいのです。
もとは、水泳教室に行きたいと言い出したのはくうまですが。
今のくうまがとりわけ、水泳教室が「好き」ということではなく、水泳教室を始めるときに、「やるなら最後までやりとげる」という約束で、続いている習い事。
ただ、日本の学校とちがって、くうまの学校にはプールがないので、ここでやめたら、きちんと泳げないまま終わるんだろうなと思うのですよね。

私はスイミングスクールは行ってなくて、体育の授業で泳げるようになった口。
だから、自分で気が付いて泳げるようになる気もするんですが。
あの時の体育の先生の方が、スペインの先生より、もうちょっとは個人に目を向けてくれたような気も。

いやしかし、日本が今のようなシステムをとる前は、きっとスペインみたいな教え方だったのかなとか。
昔はきっと誰も教えなかったけど、覚えたい子供は自分で泳ぎを覚えていったのかなとか。
スペインの有名スポーツ選手は、こういうところから這い上がったから、強いんだろうなとか。
まあ、やりたいなら大人になってからだって覚える機会はあるにちがいないとか。

ここ数日、鬱々と自分の思考の落ち着き場所を探しまくってました。

要するに。

目的が「綺麗なフォームで泳げること」なんだから、焦る必要はないですな。
そりゃあ、日本の水泳教室に入れたら、一年後にはきっと綺麗なフォームで泳いでいそうなので、羨ましいです。くうまもその方が楽と思うし。
が、ここに住んでるわけなので、しょうがないのです。
ある日くうまが気が付けば、その後は少しずつ自分で考えて泳ぐようになるだろうし、きっといつかは綺麗なフォームで泳げるようになるのだから。

スペインの、しかも村に住んでいる私は、「習得の早さ」は望んではいけないのでしょうね。

って、いや、そういうことではなく。
日本と比べて嘆くなんてナンセンスですね。
急がなきゃいけないことなんて、何もないのだということを思い出したのでした。



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by africaespa | 2007-10-07 00:56 | 子育てで思うこと。

子供と一緒に楽しむ南スペイン。


by africaespa