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やっと免許持ちっ!

今週はくうまが寝込んだ後、私も二日ほど寝込んでました。
風邪がうつったのと、たぶん疲労も溜まっていたからと思われます。

やっと白状いたしますが。
先日、実地試験に受かって「初心者マーク」をいただいたのです~(滝涙)
ずっと山場だなんだと言ってたのは、このことでありました。

やっと免許持ちっ!_e0023086_19542766.jpg
こっちでは、若葉マークじゃなくて、「L」マークなんですけどね。
このL、どこから来るのかと思ってましたが、単純に英語のLearningかららしいです。
私は絶対スペイン語だと思ってたから、「Largate! どけっ!(初心者だ、ぶつけるぞ~!)」のLかなぁなんて思ってたけど(爆)

さて、40歳で免許取るなんて、日本人にしてはものすごく遅いですよね。
でもスペインに住まなかったら、いや、子供を持たなかったら、免許と無縁だったと思います。
しかも苦節7年ですっ(もう自慢の域?)
免許取るのにこんなに時間かかる人いるのか?と思いましたが、フランスのオーベルニュに住むクレランさんが同じ思いで免許を獲得してたのを見て、ちょっと勇気が出ました。
クレランさんとは、グラナダで偶然会って、それからネット内で偶然再開したので、よくよく縁があるのかもしれません(笑)

実は、運転するのが怖いという、根深いトラウマがあったのです。
父は車を運転しましたが、あまり好きではなくて、娘には運転させたくなかったのでしょう。
子供の頃からずっと、「車でもし人を轢いてしまうと、一瞬にして自分の人生を失うことになる。一生かかって償い続けるだけの辛い人生になってしまう」と聞いてきて、運転席にあるものに触れようものならきつく怒られたので、どこに触れても大事故になりそうで、運転なんて考えもできない人間になっておりました。

ちなみに、家にはバイクを運転する人はいなかったので、抵抗なかったのですが、バイクの免許を取ることを相談したら、「バイクでもし車にはねられると、半身不随で一瞬にして人生を失う。それくらいなら車にしなさい。まだ死ぬ確立はバイクより低いから」と言われて、結局バイクにも触ることなく・・・。

まあね、でも東京に住んでる限り、電車もバスもタクシーも痒いところに手が届くほど整ってるわけで、その上自転車乗りやすい平地だし。なにより歩くのも好きだったしで、実際何の必要性も感じずきたわけでした。
旅行もね、電車とバスとタクシーかヒッチハイク、辺境ではミニバスか馬かバイクタクシーで問題なくて、車を運転したいなんて思ったこともなかったんですよね。
スペインに来るまでは・・・。

いや、スペインに住み始めて、確かに日本より身動きが簡単じゃないことに気がつきましたが、一番私に車を運転しなければと痛切に感じさせたのは、くうまです。
やっぱりね、何かあったとき車が運転できない人間はここ一番で役に立たないですからね。
もしもパパがいなかったら、私一人では身動き取れないわけです。
くうまが病気になっても、私は家で介抱しかできない。パパが病気になったらお手上げ。
(実際はパパが病気になった時はタクシー使いますが、一回に何万円も飛びますからね、別の面で痛いっす)
いろんな意味でも、運転できる人間は一人より二人の方がぐんと融通が利くと思うと、運転が怖いなんて言ってられないと思ったわけです。





まずはパパに車の運転を習うことにしたのですが・・・。
あまりに緊張してたせいで、力入りすぎて、ウインカーレバーぶち折っちゃいました(汗)
申し訳なさとショックのあまり練習第一回目は5分で挫折・・・(苦笑)
いや、でも私が馬鹿ぢからなんじゃなく、中古車だったかららしいのですけどね。

ずいぶんたって、やっとまた大学とか住宅地とかで練習再開しましたが。
どうしても、ファーストからセカンドに入れるのが怖くて・・・(涙)
この時は、私は早くなくていいのに、どうしてセカンドに入れなきゃいけないのかとパパに泣いて頼んで、総ての車は発進したらセカンドに入れるのが決まりなのだと説得されたのでした。
今でこそ、笑っちゃうことだけど、この時はセカンドに入れるだけで涙が出、動悸息切れ(苦笑)

セカンドに入れる練習を何日か続けたある日、サードに入れさせようとしたパパと、大喧嘩となり、練習も終了。「そんなに辛いなら運転しなくていい!」「辛いのに、何で運転しなきゃいけないんだ!やめてやるぅ!」ってな感じで。・・・でも子供は生まれるわけで。運転しなきゃいけないと思い直しました(爆)

でもね、ウインカーバー壊した記憶もまたマイナスで、こんな高いもの(車は基本値段が高いという意味で、車自体は中古のルノーC-15という、パン屋さんカーです)壊しちゃったら申し訳ないと思うと、さらに緊張しちゃって気が遠くなってたのです。
で、車を買い換える時、「査定出たから、少々壊しても大丈夫だよ。ばれないように置いてくるから~(byパパ)」の言葉に、数日間生まれて初めて気楽に運転できたのでした(笑)
いや、壊さなかったですけど。あ、クラッチ焼けたかも・・・(汗)
運転してみると、そんなに難しくなかったです。

・・・って、問題は操作ではなく、道路で走る恐怖の方がもっと大きかったんですがね。

とにかく、免許を取ろうと教習所に申し込み、教科書や問題集を買い込み、授業を受けましたが、ちんぷんかんぷん(汗)
まだスペイン語一年目でしたからねぇ(苦笑)
しょうがないから、家で辞書引きまくって自宅学習することに。
問題集をとにかく覚えれば、何とかなるかと思ったんですが、一問に10個くらいわからない単語があって、その後に質問してることを理解して・・・って、一問に10分以上かかっちゃうわけで、三日で挫折しました。はい(涙)

だいたいね、バイクにも乗ったことないから、交通法規をまるで知らないのに、わざと解り辛く書いてあるスペインの問題集を読んで、状況を理解して答えろと言われてるのだものね。
解らないのが普通でしょう(妙な自信)

こんなことをやっている間にくうまが生まれたりなんだったりしたわけですが。
ある日、とうとう私が運転しなければならない日が来てしまったのです(無免許ですが

くうまが一歳ちょっと前、日本帰国&トランジットでタイ旅行を計画したときのこと。
長い旅行なので、マドリッド空港に車を置いておくと駐車料金が恐ろしいことになってしまう。
でも、バスでマドリッドに行くには、あまりの荷物&くうまでほとんど不可能に近い。
そこで空港乗り捨てのレンタカーでグラナダ~マドリッド(5時間の道のり)に行こうという事にしたのです。
でもね、唯一の問題は、どうやってグラナダの空港までレンタカー取りに行けばいいのかということ。交通の便はあるにはあるって、当時陸の孤島みたいなところだったので(涙)
どう考えても車で取りに行って、レンタカーをパパが運転し、私はくうまを乗せて我が車を運転して家まで帰るしかないわけです(汗)
考える余地ないわけで。やるしかないんだけど、怖すぎるわけで(滝汗)

その頃には一応、山道は運転できるようになっていたのですが、街中はまだ一度もやったことがなかったし。
私がパパと替わって運転すると、くうまが泣き出すんで(←これって、すごい悲しいことですよぉぉ)、やっぱりまだリラックスして運転できてないみたいだし。

でも、選択の余地なしだもの。とにかく私はインカムをつけ、パパがラジオで手取り足取り誘導するってことで、実行しました(苦笑)
計画はことの他うまく進み、すごいじゃん!運転うまくなったじゃん!と大いに褒められつつも、くうまも連れてますからね、事故っては大変と、心頭滅却して頑張りましたよ~。
目指す家まであと5分っ!
ってのに神様はいぢわるで(涙)
その日はグラナダのマラソン大会で、主要道路遮断、市中引き回しの刑っすよ。
グラナダで二本の指に入る長い坂道を大渋滞で進まなきゃいけなくなってしまい、泣きながら坂道発進100本ノックだったので、家に辿り着く前に事切れてしまいました。家まで歩いて10分の距離だったので、後処理はパパもそれほど苦労なかったのですが。

こんな大きな経験をしたんだから、もう大丈夫だろうとパパは思ったらしいけど、やっぱり吹っ切れないものが大きくて、できるなら運転したくないと思ってしまうのです。
パラグライダーやスノーモービルはぜんぜん怖くない、車だって道なき急斜面を4WDで走るのはできるのに、アスファルトの道は見たとたんすくんでしまう。
やっぱり運転は無理かなと思っていた時、街から村へ引越したのでした。

引っ越した当初、私は実はストレスでへしゃげる時がありました。
何故かと言うと、引越し先は丘の上で、村まで歩けないこともないけれど下りは15分、登りは30分くらいかかるのです。
私だけなら何とかなるけれど、私一人ではくうまを海へ連れ出したり公園へ連れて行ったりできなかった。もちろん、買い物も一人で行けなくなってしまった。
いつもいつも誰かに助けてもらわなければいけない生活は、以前のグラナダの街の暮らしよりも、運転できないことに危機感がありました。
パパが病気で倒れると、一家共倒れ。薬も買いにいけないのですから私非力(涙)
それにやっぱり、一人でほっつき歩けないのも辛かったのです。

やっぱり免許を取ろうと思い勉強を始めるも、やっぱり質問を理解するだけでとてつもなく時間がかかるのに疲れて挫折。免許の可能性も遠いし、運転も怖いし(どつぼ)

なんて長いこと運転から離れてたんですが、ある日やっぱりパパが病気で倒れ、村に薬を買いに行かねばならなくなりました。
それでこの村に来て初めて運転したわけです。
思いの他、怖くなくて、一人で運転して薬が買ってこれたのがうれしかったのなんの(喜)
まあね、信号ない村で、メイン通り一本だけ。片側海岸だから駐車も難しくないんですが。
でも、うれしかったんですよねぇぇ(涙)
それでもできれば運転したくないし、免許ないから運転しちゃいけないと思ってました(いや、しちゃいけないんですが)

まあ、免許に関しては、無免許で運転してるスペイン人、今でこそ少なくなりましたが、「つい最近まで普通だったから、気にすんなよ。村の中だけなら問題もないから。」
と、パパに言われて、とりあえず免許の前にトラウマ克服を目指すことにしたんでした。
ただパパは、トラウマを克服するまではと思っていたらしく、実際はもし事故ったとき立場がとても弱いので、出来る限り早く免許を取るようにと言っておりました。当然ですが。
(ちなみに、実際私の会ったスペイン人の中にも無免許暦15年という猛者がいた 笑)

そして村に来て1年半くらいしたある日、パパが爆弾発言をした。
「うちの車はディーゼルの4WDで運転しにくいし、africaに小さな車を買うのはどうだろう」
・・・免許まだ取ってないんですけどね(苦笑)
「可愛い小さな軽い車なら、きっと君も運転したくなるに違いない!」
えーーーっ!と言いたかったんですが、それでは現状打開にならんので、巻かれることに。
そうだ、自分の選んだ車が来れば、私は運転が楽しくなるのだっと暗示をかけ、うれし~っと答えてみることにしたのでした。

車のことにまったく興味がなかったので車用語も知らないし、隣人がどんな車に乗ってるかも気がつかない人間なので、欲しい車と言われて迷うこともなかったです。
街を走ってるといつも「スターウォーズのトゥルーパーに似ててオモチャみたいだ」と見ていた車しか、思いつかなかったので(笑)
色々説明されてもその車以外、見分けがつかなかったから、やっぱりトゥルーパーが。
こちらでは絶大な人気であっちこっちで見かけるけど、日本では、残念ながら売られてないタイプの、スズキ・ジムニーの白(同名なのに日本のジムニーと形まったく違うんですよ)です。

でも車が来たとき、私より喜んだのはパパだったかも(爆)
よし、今日はafricaの運転でアルメリアまで行こう!と、いきなりの提案。
とにかくトラウマを治すには、嫌と言ってはダメと思ったので、よし、行こうっ!と頷きました。
でもね、うちの村からアルメリアまでって、150km以上あったんです・・・(涙)
高速では100km/h~120km/h保つのが精一杯で(免許取った今だからわかりますが、こっちの高速って120km/h制限なのです。が、実際は追い越し車線では160km/hくらい、普通の車線でも100km/hじゃ張り付かれること多しです 汗)
でも根をあげたらトラウマに負けると思ったから、必死に目的地まで運転しましたよ。
帰りはさすがに途中でパパに替わってもらったけど。

さて、どうなったか。
・・・というと、その日以来3ヶ月くらい車に寄り付く気になれなかったのでした(苦笑)

でまた、そういう時にパパが風邪で倒れるんです(笑)
毎年インフルエンザの流行がやってくるおかげで(爆)
それで重い腰を上げたのですが、薬買いに村まで行った時、もうそれほど運転が嫌じゃなくなってることに気がついたのでした。
それで、くうまの送り迎えを私が引き受けることに決めてみようかと。
幼稚園も小学校も一本しかないメイン通りに全部あるので、頑張ることにしました。

以来、とりあえず村の中だけなら、くうまを公園や海に連れて行ってあげられるし、私も友達と好きに遊びにいけるようになって、すっかり元気を取り戻したのでした。
blogをはじめる前のお話なのですが。

で、すっかり免許なんてどうでもいいやって気になってたんですがね(苦笑)
村以外も運転できる身にならないと、自立した人間になれないという、最初の気がかりを思い出したのでした。
私一人では、家族を病院に連れて行けないし、空港にも連れていけないし、大きなスーパーに買い物にもいけない。
もしもパパになにかあった時、私一人ではこの家で今の生活を続けていくことはできない。
それを考えるとね、怖くて眠れなくなることもあったりして(涙)

それでとにかく免許を取得せねばと、また頑張りはじめたのでした。
今度は免許取得仲間を見つけて、一緒に始めてみたりして(笑)
一緒にやるほうが、サボらなくていいし、楽しいし、そして私はスペイン語で解らないところを、スペイン語で説明してもらえるし。
あと、運転するようになって、問題集のシチュエーションが想像できるようになったし。
いろんなことが良かったのか、前より解るようになってました。
なんとか教科書を読み終え、問題集一冊終わったところで、お互い勉強する時間がなくなって結局また挫折だったのですけどね。

ちょうど家の地盤沈下問題を解決してる最中だったから、忙しくなってしまって。

そんなわけで、気がつけば7年。
くうまの送り迎えと共に、毎日運転を始めて3年の月日がたっておりましたが、
今年3月29日に実地試験にも受かって、ちゃんと自立した人間になれたのでした(ガッツ)
この初心者マークをもらった時、自分でもまさかと思いましたが、涙出ました。
あんまり自分のことで感極まって泣くことないんですが(悔し泣き多し 苦笑)
本当に嬉しかったんだろうなぁ・・・<自分。

この長いお話、読んでくださった方がいらっしゃいましたら、お付き合いありがとうですっ。
実際のスペイン免許取得事情へと、お話はまだ続いていきます~。
by africaespa | 2007-04-02 06:03 | 母のつぶやき

子供と一緒に楽しむ南スペイン。


by africaespa