子供達の進化。

blog「くーまくーま」を通して、きっと何度も出て来た「チーノ」問題。
スペインにおける差別は、ジプシーとモロッコ人と中国人。
なのだけど、アジアは全部中国だと思ってる人も多いし、アジアのことを中国と呼ぶのだと誤解してる人もいて、差別で「チーノ」と呼ばれることもあるし、差別意識なく「チーノ」と呼ばれることも多々ある。
「チーノなの?」って直接聞かれる場合は、差別意識はないので気になりませんが、遠くからとか、車から通りすがりに「チーノ!」って叫ばれるのは、どうみても差別で、ムカつきます。
ヒソヒソと「チーノ」って聞こえるときも案外差別と誤解からなので、ずずいと本人の前にいって「『中国』人ではなく、『日本』人です」って言うと、大いに慌ててザマミロだったりする。
でも、いつまでたってもアジアンへの偏見はなくならないのですよね。
偏見で見られるような態度をとる中国人達が、一向に改める向きもないので、しょうがないのだけれどさ。

私たちは村に来てずいぶん経つので、誰かしらと繋がりがあるせいか、最近は面と向かって「チーノ」と言われなくなったけれど、子供社会は違います。
大人の口癖を子供は真似する以上に強調するんで、もっとシビアで辛らつで救いがない。
私たちに「チーノ」と言わなくても、道端で物を売ってる中国人には、吐き捨てるように「チーノ」と言ってる親達がいなくなったわけではないので。

3歳のくうまを幼稚園に入れるとき、一番心配したのは「チーノ」とからかわれて傷つくことでした。必要以上に苛められたりしたらどうしようとも思いました。
やられても、スペイン語でうまく言い返せないし。
本人が少々なことでへこたれないほど強くなるしかないと思いましたが、ハラハラでした。
4歳の時には、同級生の他に、小学校のお兄ちゃんから「チーノ」ってからかわれることもあったみたいだし。
そういうことで、はじめた日本の紹介と折り紙教室でした。
せめて学校の子達には日本という国があることを教えたいと思い。
学校側も喜んで、幼稚園だけでなく小学校4、5、6年生も教えることを頼まれたり。
5歳の時は、運良く学年末パーティーで、くうまのクラスは日本の踊りを披露することになったし、食の祭典では日本食を振舞うことができたし、文化交流では日本の写真と文化を紹介することができたし。

これのどれほどのことが、効果あったのかは、くうま本人しか知りえないことですが、そんなこといちいち教えてくれるわけもなく。
どうなのかなぁって思っていました。

そうしたら、ついこの前のことです。


「あのね、二コラが『Tu parece chino!(お前中国人みたい)』って言ったの。
そうしたらね、みんなが怒って
『Tu parece mas chino!(お前の方がもっと中国人みたい!)』って言ってくれたの」


と言ったのです。

二コラは三回ほどこんなことを言ったけれど、その度にみんながそう言ってくれたから、
二コラは悲しくなっちゃって、もうくうちゃんに「チーノ」って言わなくなったんだよ。

そう説明してくれたのです。
友達らがくうまをかばってくれたんです。
今までは、自分のことしか考えられなかった子供達(男の子達という方が正しいのかな)が、かばうことを始めるのは6歳からなのですね。
とても小さなできごとですが、私にとってすごい嬉しい話っ。
もう、私の中ではサルから人間への進化と同列エポックですから(爆)

一人浮いていたくうまなので、小学校に入ってもなんだか心配でした。
でも、一緒にいるから遊んでいるという、今までの幼く薄い関係とは一歩進んで、
くうまのことを好きと思ってくれる友達が数人できたということですね(喜)
そして、中国人ではないくうまの存在を、わかっているということだものね。
すごい。アジアには中国の他にも国があると、わかってくれてるなんて。
大人より子供の方がやっぱり、こういうことを受け入れるのは早いね。

「チーノ」って言われると、「ぼくは日本人だ!」って真っ赤な顔して地団太踏んで怒るくうま。
でもまだ迫力がない分滑稽で、それをまた笑う子もいたようです。
おかげで、くうまは、自分を笑われることを、泣いて悔しがる。
私たちが、くうまのしぐさが可愛くてくすっと笑うことでさえ、「何で笑うの?」って怒ります。
こういうことを見ていても、一人きりで子供社会に出て、色々辛いことがあったのだろうなと想像してしまいます。
これからは、傷つくことも少なくなるんじゃないかなぁ。
あとは、怒ったら地団太じゃなくて、思い切りシニカルに言い負かせられるようになると、完璧なんだけどなぁ。
もっともっと強くなれよ~。
そして気の効いた嫌味がいえるくらい頭よくなれよ~。

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by africaespa | 2007-02-06 09:14 | 子どもの視点

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