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育児放棄。

この前の夜の話しですが、育児放棄してました。

やっぱり親も人間ですからね、許せないことがあって怒り心頭だと、ふんってなるわけで。
うちの場合、食べ物を粗末にするとか、お腹と相談しないで食べ物取りこんで、後で残すとか、食べ物関係でくうまにカミナリ落とすこと、多いのですが。

その日は食材のほとんどない日だったので、いなり寿司にするつもりだったのに、くうまが「カレー」と言い張りました。玉ねぎも肉もないのにカレーはできんと言ったのに「カレーが食べたい!お願いお願いっ」と。
以前作って冷凍していたカレーがあるのを思い出したので、そこに揚げナスで肉のない寂しさを補って、なんとかカレーを作ってあげたんです。
なのにですよ!
それなのに、最初から喜んで食べる気配がなくて、変だなと思ってたのです。
で、結局残しちゃったの。
怒り心頭です。いつも腹減ったしか言わない奴がどうしたことか。
カレー不味かった?なんかいつもと違う?私も原因を考えましたが、たぶん1時間前のクッキーが予想外にお腹を張らせたのでしょう。
4枚あげたところ、晩ご飯も食べられる。大丈夫って言いながら、結局8枚も食べてたもの。
本人もやばいなぁと思ったらしくて、結局必死に半分以上食べましたがね。

でもやっぱり、腹たちますとも。
献立変更してまで、要求されたカレーですから。
・・・へぇぇ、残すんだ。
怒髪天をついてたんで、形相たるや恐ろしかったことだろうて(苦笑)
「う・・・ううん、食べる」
食べんでいい!「食べる」食べるな!
必死で皿を守るくうまから皿を取りあげて、食らいつくくうまをふりほどいて、カレーをゴミ箱へ投げ捨てましたとも、はい。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・前に怒られたこと忘れてて・・・」
涙と鼻水でくしょぐしょの顔してましたが。
食べ物も可哀想。ママも可哀想。
ごめんなさいなんて要らん。もう一生くうまの作って欲しいって言うもん作ってやらん。


「でも、寝る前のご本は読んでくれるでしょ?」
くうまは食事ぬきと言われるのと、本読み無しと言われるのが一番辛いらしくて、怒られると必ずこれを心配する。
今日はナ・シ。読みたければ自分で字を読みな。ツーン。
「よ、読めないもん。わあああん」
あそう、でも知らない。今日はママ読まないから。歯磨いて勝手に寝な。
と、
完全に育児放棄を言い渡しました。
「わかった・・・」しくしく泣いてましたが、諦めたもよう。

が、3分も経たぬうちのことです。
「ママ、寝る前にお風呂に入りたい」
もう育児放棄してるので、お湯溜めるの面倒になってたんですが。
「ママ、でも今日はプールに入ったから、塩素を落とさないといけないから・・・」
う。いつも私が言うことなので、これはしょうがないからお湯を出してあげました。
お湯入れてあげるけど、でも自分で止めて、身体も自分で洗うんだよ(とことん意地悪)
「はいっ!」切れのいいお返事。
しかしですね。
なにやら風呂場からは鼻歌が。
そして続いてムスクの良い香り。
こっそり覗きに行くと・・・。
ちゃんと自分用にバブルバスを作って、お風呂タイムを楽しんでおりました。
立ち直り早すぎないかい?
なんか、ここで育児放棄してる私が、単にいじけてるみたいではないか(ずーん)

さすがに身体まともに洗えてないから、覗きついでに背中と頭洗ってあげましたが。
それからまた育児放棄。自分で身体拭いて、パジャマ着てね。
「はいっ!」いつになくテキパキ。
それから自分で読めそうな本を声出して読んでました。
すると・・・
面白かったようで、もう一冊探して読んで、もう一冊、もう一冊って5冊も読んでるし(苦笑)
6冊目を本棚へ探しにいこうとするから、もう寝なさいと言うと、
「はいっ!」
自分の部屋に入ってベッドに潜り込んで、電気消して寝てました。

・・・・・・あの立ち直りの早さはどういうことなんだ?
残された私は悶々です。
怒られて泣いたこと一瞬で忘れたのかな、やっぱり。とか・・・。

しばらく家に帰って来れないパパに電話でこのことを報告したりして。
ま、怒られていじけたり落ち込んだりする奴より、懲りない奴の方がましだから・・・
って、せめてもの慰めをいただき(苦笑)

こんな夜だったので、朝どういう顔したらいいか起きる直前夢の中で迷ってました。
育児放棄って初めてでした。ま、5才ですから、やろうと思えばなんだってできるわけで。
いつもやらないのは単に私に甘えているからなので、問題は何もないのですが。
くうまがどうするか見て考えようと思ってたら、いつものように私のベッドに潜り込んできたのですが、いつものようにお腹すいたを連呼せず、
「ママ、お腹すいたから朝ご飯作って。お願い。ママが食べたいもの決めていいからね」

すごく言い方が丁寧でした(ぷっ)
一応昨日怒られたことを覚えていたんですね。
そればかりか、以後食事まわりのお手伝いをしてくれて、気を利かせてくれます。
この日以来、本を見つめて文字を読もうとするようになりました。
自分でできることに気が付いたのでしょうね。
それと、相変わらずやんちゃですが、こっちが真剣に言う時はわがまま言わずに付いてくるようになりました。

「5才という年頃」で、親が常にそばにいてくれる信頼感が大切と書きましたが、もちろんそうですが、そのことに子供が慣れきって、親が自分になにかしてくれることが当然と思うようになるのも問題に感じました。
親が子供に愛情をそそぐと同様、子供は親に対して敬意を持つべきだと思う。
そういえば、たった一度でしたが、私も幼稚園の時にある恐い経験をしました。
何をしたのかは覚えてないですが、母が鬼のように怒って、玄関に引きずっていかれ、牛乳瓶とイチゴのプラスティックパックを前に置かれて、「あんたはもうこの家に要らないから、出て行きなさい。物乞いをすればきっと、みんな可哀想に思って食べ物を恵んでくれるから、なんとか生きていけるかもね」
私は、ここで扉を開けて外に放り出されたらもう最後だと思って、必死で母の足に食らいついて謝りました。
恐ろしい恐ろしい、母はなんて恐ろしい人だ。ここで捨てられたら大変だ。
今でもあの時の恐ろしさは克明に覚えています。家を追い出されるなんて「まさか」なことが、こんな簡単に訪れるとは思ってもみなかったので。
でも母が「それなら今回だけは許してあげる」と言ってくれた瞬間、悪夢から解放されたわけです。
その言葉をもらった後は、すっかりいつもの私と母であり、30分後にはニコニコ笑って過ごしていたと思う。
もちろん、普段は思いきり甘えてましたし、怖がった記憶はまったくないのですが。
でも、たぶんあの時、「この人は怒らせると本当に恐ろしい人だ」と心に刻んだ様な気がします(笑)
小さなことでよく怒られましたが、本当に母が怒るだろうことは、絶対やらないよう心懸けて今に至りますから。
この話しを母にすると、母は「本当に私が捨てると思ってたん?」と笑います。私も笑ってしまいますが、あの時は本当に捨てられると思ったんですよねぇ(笑)

私も、たぶん育児放棄を切り札のように連発はしないと思うけれど。
自分の体験から考えても、それは一度で十分と思われるし(苦笑)
でもこういう体験も、子供には必要な気がしたのでした。



by africaespa | 2006-07-06 21:29 | 二カ国語子育て&絵本

子供と一緒に楽しむ南スペイン。


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